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2020.07.10

心房中隔欠損


心房中隔欠損とは  
心臓の心房を隔てる壁である中隔の一部が欠損している病気です。先天性心疾患の中で一番多い頻度の疾患で、先天性心疾患の7~13%といわれています。性別では女性に多いです。
 


分類  
・中心部型(2次口欠損型)
心房中隔の中心の卵円窩を中心にした欠損孔です。頻度が一番多いです。

・静脈洞型
後方の静脈洞の部位に発生した欠損孔で、部分肺静脈還流異常を合併していることがあります。

・冠静脈洞型
下後方の冠静脈洞の形成不全で生じる欠損孔です。

・心内膜症欠損型
房室弁(僧帽弁、三尖弁)と中隔が癒合しておらず、房室弁直上に欠損孔がみられます。房室弁に変形(cleft)を合併することがあります。


 
血行動態と心臓への負担  
①上下半身からの静脈血が右心房に集まり、右心室を介して肺動脈へ流れる。

②酸素化された血液が肺静脈から左心房に流れてくるが、一部の血液は欠損孔を介して再び右心房へ流れてしまう。

③右心房、右心室には通常より多くの血流が流れ込んでくる。
その結果、通常よりも右心房、右心室が拡大する(容量負荷)。


 
症状・診断  
症状は、乳児期に出現することは少ないです。自然い閉鎖することも少ないです。乳児期以降も無症状なことが多いですが、肺に流れる血流が増えること(肺うっ血)で運動時の息切れが認められることもあります。大人では不整脈で見つかることもあります。
診断は、心エコー検査で診断します。手術のために心臓カテーテル検査を行う場合もあります。
 


治療  
肺血流量が十分に多い場合(原則、肺血流が体血流の2倍以上)が手術適応とされます。外科的手術法では、右腋から開胸する手術法が行える場合もあります。
(従来は胸の真ん中を切開していました。美容の観点からは優れていますが、病状や施設が限られます。)
また近年では、小学生以上に対してはカテーテル治療も行うことができます。(Amplatzer septal occlusion)
事前に経食道エコーなど入念な準備が必要となりますが、開胸手術と違い人口心肺を使用せず、傷口を胸に作らず手術ができるメリットがあります。


心と体の健康を見守る街のお医者さん
コアラ小児科アレルギー科

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クリニックステーション浦和仲町2階

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