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2020.08.21

子どもの結核とBCG


結核とは 
結核は結核菌による感染症の総称です。結核菌が結核患者の咳やくしゃみによって空気中に飛び、人の肺に吸い込まれることで感染します。多くの場合、結核菌が体内に入ると、免疫機能が働き、結核菌を閉じ込めてしまいます。そして、結核菌は肺の中に閉じこもったまま何十年も推移します。
しかし、初めて体内に入った際に免疫機能が弱い人は結核菌が活発に増殖し発病してしまいます。これを一次結核と呼びます。 更に、閉じこもったままであった結核菌が、免疫力が低くなったタイミングで再び活発になり発病する場合もあります。これは二次結核と呼びます。  


感染経路  
結核患者との接触があると、必ず結核を発症するわけではありません。 例えば結核患者が排菌していない状況であれば、感染は成立しません。つまり結核患者の排菌状況(喀痰に含まれる菌の量)や接触の程度によって変わります。接触した場合は、これらを確認し、胸部レントゲン、ツベルクリン検査、血液検査により結核に感染していないかどうかを判断します。
 


子どもの結核  
子どもの結核は、ほとんどが前述の一次感染になります。特に生後間もない乳幼児やBCGを接種していない乳児に感染するリスクが高いです。結核菌は感染すると、肺や周囲のリンパ節で増殖します。そして血流に乗って、全身に広がっていきます。これを栗状結核と呼びます。
子どもの結核は成人に比べて病状の進展が早く、患者と接触し感染した後2,3か月で発症するので、早期の治療が大切です。
もしも結核患者と接触した場合は、接触直後と2,3か月後に結核者検診を受ける必要があります。問診や診察、血液検査やツベルクリン反応を確認し、感染の有無を判断します。結核感染や感染の可能性が高い場合は抗結核薬(イソニアチド)の予防投与を6か月間行います。  


BCGについて 

BCGは結核菌に対しての生ワクチンです。接種により子どもの結核の発症を52~74%低下させることが知られています。ワクチンの正常な反応として接種後2週間から6週間後に徐々に化膿していく反応が起こります。このような症状が接種直後(主に2,3日以内)に起こることをコッホ反応と呼びます。この場合は、結核に感染している可能性がありますので、ツベルクリン検査を行う場合があります。BCGを接種した病院にお問い合わせください。

また、BCGの勘違いされている点ですが、いわゆるハンコ注射(図)は見た目は9つの長い針がついています。かなり怖い見た目ではありますが、周りにガードがついているので通常の予防接種よりも針の長さは刺さらず、少し血がにじむ程度ですみます。


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