初めて受診される方へ

コラム

TOP > コラム > 【朝ぐったりして起きない…ケトン性低血糖かも】夕ごはんを食べていても起こる理由と家でできることを解説する動画【小児科医が解説】

2026.11.08

【朝ぐったりして起きない…ケトン性低血糖かも】夕ごはんを食べていても起こる理由と家でできることを解説する動画【小児科医が解説】

https://youtu.be/-jqXxjWP7Ww
夕ごはんをふつうに食べて寝た1歳の子が、次の朝ぐったりして、低血糖で入院した。そんな保護者の投稿が大きな反響を呼び、ニュースにもなりました。幼児の朝の低血糖でいちばん多いのは、ケトン性低血糖という、子どもの体の仕組みから起こるものです。多くは成長とともに起こらなくなりますが、気づくのが遅れると、けいれんや意識障害につながることがあります。

■なぜ朝に起こるの?
体は、食べた糖を肝臓にためておき、食べていない間はそれを少しずつ出して血糖を保っています。ところが小さな子は、ためておける量が少なく、目安として幼児は4〜6時間ほど、大人は6〜12時間ほどと言われています。一方で、4歳ごろの子は、体が休んでいるときに使うエネルギーのおよそ3分の2を脳だけで使っています(大人は2割ほど)。バッテリーは小さいのに、重いアプリを動かし続けている状態です。蓄えが切れると、体は脂肪を燃やしてケトン体という代わりの燃料を作りますが、それでも追いつかないと血糖が下がります。これがケトン性低血糖です。起こりやすいのはだいたい1歳半から5歳ごろで、やせ型で小柄な子に多く、6〜7歳ごろまでに起こらなくなることが多いです。

■夕ごはんを食べていたのに?
アメリカの小児病院でケトン性低血糖と診断された62人を調べた研究では、きっかけは約3分の1が胃腸炎、約3分の1が食べる量の減少で、29%ははっきりしたきっかけが見つかりませんでした。前の日にふつうに食べていたからといって、否定はできません。よく遊んで糖を使った日、夕ごはんが少し少なかった日、体調を崩しかけている日。小さな差が重なると、朝に足りなくなることがあります。
胃腸炎のときは、食べられない、吐く、蓄えが減る、ケトンが増えて吐き気が強くなる、という悪循環になります。昔から「自家中毒」と呼ばれてきたものと重なる部分が大きいですが、正式な病名ではありません。何度もくり返すなら、一度きちんと原因を調べましょう。

■家で気づきたい様子
朝なかなか起きない、顔色が青白い、冷や汗、いつもより不機嫌に泣く、手がふるえる、吐く、ぼーっとして反応がにぶい。泣き止んで静かになったから大丈夫とは限りません。名前を呼んで、目を合わせて、ちゃんと返事をするかを確かめてください。

■家でできること
経口補水液は脱水にはとても役立ちますが、糖が少ないため低血糖の糖分補給には向きません。糖を10グラムとるには、りんごジュースならコップ半分ほどですが、OS-1では500mLを飲み切っても届きません。意識があって飲み込めるなら、りんごジュースなど糖のある飲み物を少しずつ飲ませてください(1歳を過ぎていればはちみつも使えます)。落ち着いたら、ごはんやパンなどふつうの食事につなげます。
呼びかけても反応がない、ぼんやりして飲み込めない、けいれんしているときは、口に何も入れず、体を横向きにして、すぐに119番です。飲ませて元気が戻った場合も、その日のうちに小児科を受診してください。

■ピボキシルを持つ抗菌薬
メイアクト、フロモックス、トミロン、オラペネムは、体の中でカルニチンという栄養素を減らし、空腹時に低血糖を起こしやすくすることがあります。2026年6月に説明書へ注意が書き加えられ、10月27日に厚生労働省が改めて周知しました。禁止された薬ではなく、過去に飲んだことがあるだけで心配しすぎる必要はありません。くり返し・長く飲んでいるときや、飲んでいる間に吐いたり食べられなかったりするときの朝のぐったりには注意し、受診のときは最近飲んだ抗菌薬を伝えてください。

■予防と、詳しい検査が必要なサイン
空腹の時間を長くしすぎないことが基本です。夕ごはんと朝ごはんを抜かない、よく遊んだ日は炭水化物をしっかり、熱や胃腸炎で食べられない日はジュースなど糖の入った飲み物を少しずつ。くり返す、生後6か月より前に起こった、6歳を過ぎても起こる、肝臓が大きいと言われた、背の伸びが悪い、といったときは、ホルモンや代謝の病気がないか専門の医療機関で調べてもらいましょう。

■まとめ
朝ぐったりして起きないときは、寝ているだけと思わず、名前を呼んで反応を確かめてください。夜間や休日に迷ったら「#8000」の子ども医療電話相談へ。気になることは、かかりつけの小児科に気軽にご相談ください。
心と体の健康を見守る街のお医者さん
コアラ小児科アレルギー科

〒330-0062 埼玉県さいたま市浦和区仲町1丁目3-5
クリニックステーション浦和仲町2階

人気記事

  • 2026.10.29

    【フルミストは危険?】死亡報告・SNSの噂を国の資料で検証する動画【小...

    300 VIEW

  • 2026.05.04

    【変な咳】クループ症候群が心配なときにみる動画【小児科専門医が解説】

    200 VIEW

  • 2020.05.13

    おむつかぶれ

    100 VIEW

  • 2021.01.08

    薬剤アレルギー

    100 VIEW

  • 2020.04.15

    アレルギー性鼻炎

    100 VIEW

月別アーカイブ

月を選択

診療時間のご案内

診療時間

※予防接種と乳幼児健診を同時に受ける場合は、同日の予防接種枠と乳幼児健診枠の2つをご予約してください。
※心理士外来(自費診療)をご希望の場合はまず、水曜日の「こころの外来」を受診してください。