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2020.12.08

学校検尿の血尿/蛋白尿


学校検尿の血尿と蛋白尿  
学校検尿では、血尿や蛋白尿を指摘される場合があります。このような血尿や蛋白尿はチャンス血尿/蛋白尿などと呼ばれます。チャンス血尿/蛋白尿は原則として無症状ですが、必要に応じて適切な検査を行う必要があります。
 


血尿単独の場合  
血尿単独の場合は、最終的な判断は微小血尿(赤血球沈査6以上20以下)や無症状性血尿(赤血球沈査21以上)となることが多いです。微小血尿は半年から1年程度で陰性となることが多いです。血尿だけがそれ以上続く場合も一般的には予後良好とされていますが、腎炎、腎腫瘍、IgA腎症などが発見されることもあるため注意が必要です。
 


蛋白尿単独の場合  
蛋白尿単独の場合は、最終的な判断は体位性蛋白尿(長時間の立位の負担によって蛋白尿が出る)や無症候性蛋白尿が多いです。体位性蛋白尿は早朝尿を採取することで否定することができます。無症候性蛋白尿は経過観察中に半数以上が蛋白尿の消失を認めます。まれではありますが、腎炎や腎硬化症などが発見されることもあるため注意が必要です。
 


血尿と蛋白尿の両方がある場合  
血尿と蛋白尿の両方がある場合は60%以上がIgA腎症が原因とされています。他にも糸球体腎炎や先天的な腎疾患などの可能性もあるため、精査することが必要です。この診断は腎生検によって行われるため、専門施設の受診が必要となります。ただし、白血球を伴う場合は尿路感染症の場合もあるため注意が必要です。
 


運動に関して  
・体位性蛋白尿
運動制限なく、経過観察も原則として不要です。

・無症候性血尿
運動制限はなく、半年おきに尿検査を行います。

・無症候性蛋白尿
基本的に運動制限はないが、半年おきに尿検査を行います。1+が継続する場合は軽度の運動制限が考慮され、2+が継続する場合は腎生検が考慮されます。



学校検尿で受診を指示された場合  
学校検尿で病院受診を指示された場合、必ず受診をするようにしましょう。その際には、身長や体重の経過が分かるもの(母子手帳)、家族や親せきに腎臓の病気(透析をしている方がいないか)、を確認して受診することをお勧めします。

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