Fallot四徴症とは
Fallot四徴症は、心室中隔欠損症、肺動脈狭窄、大動脈騎乗、右室肥大を特徴とする症候群です。頻度は3600人に1人程度といわれています。Fallot四徴症の中にも、肺動脈閉鎖を伴うタイプや肺動脈狭窄が軽度のタイプなどがあり、血行動態はそれぞれ違います。基本的には、多因子遺伝で家族内の再発率が3%程度ですが、22dq11.2欠失症候群の15%に合併することが知られています。
血行動態と心臓への負担
①右心房、右心室に流れた静脈血は左心室からの動脈血と混ざり、一部の血液が狭窄した肺動脈を介し肺へ流れます。
②肺静脈から戻った血液が左心房、左心室を介し、再び右心室の静脈血と混ざります。そして、一部の血液が大動脈へ流れます。
その結果、身体へ流れる血液(大動脈の血液)は静脈血と動脈血が混ざった血液が流れることになり、爪や唇の色が紫になるチアノーゼがみられます。
症状・診断
診断は生後のチアノーゼや心雑音で気づかれることが多いです。典型的なFallot四徴症では、乳児期に激しく泣いた後などにチアノーゼがみられます。(例外はあります。)専門医によって、超音波検査をうけることで診断されることが多いです。両大血管右室起始など類似疾患が多いため、専門施設によって診断し、治療方針を決定するが推奨されます。
治療法
・肺に流れる血流が少ない場合
肺動脈狭窄が強い場合や肺動脈閉鎖の場合、期を見定めてBlalock-Taussig手術をすることが多いです。この手術は、大動脈の分枝である鎖骨下動脈から肺動脈に人工血管をつなぐこと(原法は鎖骨下動脈自体を肺動脈へつないでいた)で、肺動脈への血流を増やす手術です。肺動脈へ流す血流を増やすことで、肺動脈の血管が少しづつ太くなります。
・肺に流れる血流が増え、十分に肺血管が発育した場合
心内修復術を行います。心内修復をするためには、十分に肺血管が発育していることに加え、十分に左室が大きくなり、年齢・体重共に成長がみられる必要があります。(年齢や体重は施設や患者さんごとに判断が異なります。)
心内修復では人口心肺を使用し、心室中隔欠損閉鎖術、右室流出路形成術を行います。(右室流出路はパッチを使う場合や自己肺動脈弁を使う場合などがあります。)
術後、遠隔期の問題点
術後数十年経過すると、手術で形成した右室流出路の肺動脈狭窄や閉鎖不全(逆流)、そしてそれに伴う右室の機能が問題になります。右室起源の不整脈が起こることもあります。このような場合、再手術などが検討される場合もあります。
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コアラ小児科アレルギー科
〒330-0062 埼玉県さいたま市浦和区仲町1丁目3-5
クリニックステーション浦和仲町2階
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