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2020.07.15

動脈管開存症



動脈管開存症とは
 
動脈管は、お母さんのお腹の中で胎児が生きていくために重要な血管です。通常、生まれてから必要がなくなるので、生後1,2日で閉じてしまいます。この血管が開いたままの状態を動脈管開存症と呼びます。
動脈管開存症は、2000人に1人、先天性心疾患の5%程度を占める病気です。未熟児であるほど動脈管開存症は合併しやすく、1750g以下では約45%、1200g以下では約80%といわれています。
 


血行動態と心臓への負担
 
①右心房、右心室に流れた静脈血が肺動脈を介し肺へ流れます。
②肺静脈から戻った血液が左心房、左心室を介し、大動脈へ流れます。
③大動脈から動脈管を介して肺動脈へ血流が流れます。(※例外もあります。)
その結果、肺動脈へ流れる血流が通常より増え、肺高血圧症となることがあります。左心房、左心室は通常より流れる血流が増えるため、拡大します。(容量負荷)
 


症状・診断
 
通常よりも肺へ流れる血流が増えるため、肺うっ血となり、呼吸状態が悪化します。未熟児では肺の未熟性と合わさって、人工呼吸器が必要となることも多いです。成熟児の動脈管開存は入院中に見つかる場合やその後の乳児検診や学校心臓検診などで見つかる場合があります。診断は超音波検査で行います。
 


治療法
 
・点滴治療
未熟児の場合、動脈管を収縮させる薬を投与し閉鎖を試みます。インドメタシンなどを用いて閉鎖すれば、手術を行わずに治癒することもあります。

・動脈管結紮術
通常、側開胸で行う外科的手術法です。動脈管を目視して糸で結紮する場合の他に、クリップで血流を遮断する場合があります。

・動脈管切離術
同じく、側開胸で行う外科的手術法で動脈管を離断して縫合します。

・胸腔鏡下手術
未熟児例には適応とならないが、より傷口を小さく、術後の痛みが少ない治療法です。

・カテーテル治療
足の付け根からカテーテルを挿入し、動脈管を塞栓させる治療法です。小さい傷で行えるのがメリットです。従来はコイルを塞栓していましたが、現在ではAmplatzer閉鎖栓を用いた治療法も行われています。

 
様々な治療法がありますが、適切な時期に適切な治療を行うことが大切です。

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