https://youtu.be/8x2bQrgbP60
「不妊治療で生まれた子は、川崎病が1.42倍」というニュースが流れ、お子さんの川崎病が再発したというお母さんの記録もSNSで共感を集めました。
川崎病は、早く見つけて早く治療すれば、ほとんどの子が心臓に何も残さずに治る病気です。そして1.42倍というニュースは、数字の意味を知ると、必要以上に怖がるものではないと分かります。
この動画では、小児循環器を専門にしてきた立場から、川崎病の見つけ方、治療、その後の見守り、再発、そして1.42倍の本当の意味をお話ししています。
■川崎病はどんな病気か
全身の血管に炎症が起きる病気です。いちばん大事なのは、心臓に栄養を送る冠動脈にも炎症が及ぶことです。冠動脈の壁が弱くなると、風船のようにふくらむことがあり、これを冠動脈瘤といいます。原因はまだ分かっていません。
日本では2024年に1万4,809人がかかり、患者さんの8割以上が5歳未満でした。珍しい病気ではありません。
■6つのサイン
・熱
・両方の白目が赤くなる
・唇が真っ赤になり、舌がいちごのようにブツブツと赤くなる
・体の発疹(赤ちゃんではBCGの跡が赤く腫れるのも大事なサイン)
・手足がパンパンにむくみ、手のひらや足の裏が赤くなる
・首のリンパ節の腫れ
6つのうち5つ以上そろえば川崎病です。ただし、日をずらして出てくることがよくあり、最初の受診で分からないことも珍しくありません。サインが4つ以下の不全型も約18%あり、心臓の合併症は起こりえます。
■受診の目安
熱が続いていて、白目の赤み、唇の赤み、発疹、手足の腫れ、首の腫れ、BCGの跡の赤みのどれかが加わったら、熱が何日目かに関係なく受診してください。スマホで写真を撮っておくと、消えてしまったサインも診察で伝えられます。
■治療
標準の治療は、免疫グロブリンの点滴とアスピリンの内服です。目標は発症から7日目までに治療を始めることです。免疫グロブリンが効かない子も13%いますが、効きにくそうな子を点数で予測して最初からステロイドを一緒に使うなど、次の手が用意されています。
免疫グロブリンのあとは、MRや水ぼうそう、おたふくかぜといった生ワクチンが効きにくくなるので、だいたい6か月あけます。アスピリンを飲んでいる間に水ぼうそうやインフルエンザにかかったら、すぐに主治医に相談してください。
■心臓のフォロー
発症から1か月たっても冠動脈に変化が残る子は2.2%で、いちばん重い巨大瘤は0.1%です。何も残らなかった子は、発症から1か月、2か月、6か月、1年、5年を目安にチェックして、5年で卒業です。運動の制限はありません。
6ミリ以上の大きな瘤が残った場合は、血液をサラサラにする薬を飲みながら定期的に検査を受け、大人になったら循環器内科に引き継いで生涯見守ります。
■再発
再発は全国調査で4.4%、だいたい25人に1人です。母子手帳に、発症した年月、治療内容、冠動脈がどうだったかを書いておいてください。再発したとき、別の病院にかかったとき、大人になって自分で病院に行くときに役に立ちます。
■「不妊治療で1.42倍」の本当の意味
元の論文は、2026年8月にJAMA Network Openに出た研究で、エコチル調査に参加した約10万人の子どもを5歳まで追いかけています。
5歳までに川崎病になった子は、自然に授かった子で1,000人に約12人、不妊治療で授かった子で1,000人に約17人でした(論文の人数からの計算です)。不妊治療で授かった子の98%以上は、5歳までに川崎病になっていません。
関連がいちばん強かったのは排卵を助ける飲み薬や注射の治療で、体外受精と顕微授精をまとめると、はっきりした差は出ていません。研究チーム自身も、関連が見えたということで、不妊治療が原因だと証明したものではないと書いています。
不妊治療を選んだことを責める必要は、まったくありません。やることはどのお子さんも同じです。
■今日いちばん覚えてほしいこと
熱が続いて、目や唇が赤くなったら、熱の日数を待たずに受診してください。
夜間や休日に迷ったら、#8000の子ども医療電話相談に電話してください。
■参考資料
・Baba S, et al. JAMA Netw Open. 2026;9(8):e2628586
・日本川崎病学会 川崎病全国疫学調査2023-24 成果報告書
・川崎病診断の手引き 改訂第6版
・日本循環器学会 JCS2020 川崎病心臓血管後遺症ガイドライン
この記事は一般的な医療情報です。お子さんの具体的な症状は、かかりつけ医にご相談ください。
「不妊治療で生まれた子は、川崎病が1.42倍」というニュースが流れ、お子さんの川崎病が再発したというお母さんの記録もSNSで共感を集めました。
川崎病は、早く見つけて早く治療すれば、ほとんどの子が心臓に何も残さずに治る病気です。そして1.42倍というニュースは、数字の意味を知ると、必要以上に怖がるものではないと分かります。
この動画では、小児循環器を専門にしてきた立場から、川崎病の見つけ方、治療、その後の見守り、再発、そして1.42倍の本当の意味をお話ししています。
■川崎病はどんな病気か
全身の血管に炎症が起きる病気です。いちばん大事なのは、心臓に栄養を送る冠動脈にも炎症が及ぶことです。冠動脈の壁が弱くなると、風船のようにふくらむことがあり、これを冠動脈瘤といいます。原因はまだ分かっていません。
日本では2024年に1万4,809人がかかり、患者さんの8割以上が5歳未満でした。珍しい病気ではありません。
■6つのサイン
・熱
・両方の白目が赤くなる
・唇が真っ赤になり、舌がいちごのようにブツブツと赤くなる
・体の発疹(赤ちゃんではBCGの跡が赤く腫れるのも大事なサイン)
・手足がパンパンにむくみ、手のひらや足の裏が赤くなる
・首のリンパ節の腫れ
6つのうち5つ以上そろえば川崎病です。ただし、日をずらして出てくることがよくあり、最初の受診で分からないことも珍しくありません。サインが4つ以下の不全型も約18%あり、心臓の合併症は起こりえます。
■受診の目安
熱が続いていて、白目の赤み、唇の赤み、発疹、手足の腫れ、首の腫れ、BCGの跡の赤みのどれかが加わったら、熱が何日目かに関係なく受診してください。スマホで写真を撮っておくと、消えてしまったサインも診察で伝えられます。
■治療
標準の治療は、免疫グロブリンの点滴とアスピリンの内服です。目標は発症から7日目までに治療を始めることです。免疫グロブリンが効かない子も13%いますが、効きにくそうな子を点数で予測して最初からステロイドを一緒に使うなど、次の手が用意されています。
免疫グロブリンのあとは、MRや水ぼうそう、おたふくかぜといった生ワクチンが効きにくくなるので、だいたい6か月あけます。アスピリンを飲んでいる間に水ぼうそうやインフルエンザにかかったら、すぐに主治医に相談してください。
■心臓のフォロー
発症から1か月たっても冠動脈に変化が残る子は2.2%で、いちばん重い巨大瘤は0.1%です。何も残らなかった子は、発症から1か月、2か月、6か月、1年、5年を目安にチェックして、5年で卒業です。運動の制限はありません。
6ミリ以上の大きな瘤が残った場合は、血液をサラサラにする薬を飲みながら定期的に検査を受け、大人になったら循環器内科に引き継いで生涯見守ります。
■再発
再発は全国調査で4.4%、だいたい25人に1人です。母子手帳に、発症した年月、治療内容、冠動脈がどうだったかを書いておいてください。再発したとき、別の病院にかかったとき、大人になって自分で病院に行くときに役に立ちます。
■「不妊治療で1.42倍」の本当の意味
元の論文は、2026年8月にJAMA Network Openに出た研究で、エコチル調査に参加した約10万人の子どもを5歳まで追いかけています。
5歳までに川崎病になった子は、自然に授かった子で1,000人に約12人、不妊治療で授かった子で1,000人に約17人でした(論文の人数からの計算です)。不妊治療で授かった子の98%以上は、5歳までに川崎病になっていません。
関連がいちばん強かったのは排卵を助ける飲み薬や注射の治療で、体外受精と顕微授精をまとめると、はっきりした差は出ていません。研究チーム自身も、関連が見えたということで、不妊治療が原因だと証明したものではないと書いています。
不妊治療を選んだことを責める必要は、まったくありません。やることはどのお子さんも同じです。
■今日いちばん覚えてほしいこと
熱が続いて、目や唇が赤くなったら、熱の日数を待たずに受診してください。
夜間や休日に迷ったら、#8000の子ども医療電話相談に電話してください。
■参考資料
・Baba S, et al. JAMA Netw Open. 2026;9(8):e2628586
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この記事は一般的な医療情報です。お子さんの具体的な症状は、かかりつけ医にご相談ください。
心と体の健康を見守る街のお医者さん
コアラ小児科アレルギー科
〒330-0062 埼玉県さいたま市浦和区仲町1丁目3-5
クリニックステーション浦和仲町2階
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