IgA血管炎
IgA1免疫複合体が原因となり全身性に血管炎症状が出現します。アレルギー性紫斑病、血管性紫斑病、アナフィラクトイド紫斑病、ヘノホシェーライン病などと呼ばれることもあります。
原因
詳細な原因は不明ですが、溶連菌など各種感染症や薬剤やアレルギーにより産生されたIgA1免疫複合体が沈着し血管炎を起こします。IgA1免疫複合体の沈着する部位は下腿の皮膚、関節などが主な標的になります。しかし、腸管粘膜や中枢神経などが標的となることもあります。
症状・診断
診断は、症状による診断で行います。皮膚、関節、消化器症状が一般的です。
・皮膚症状(基本症状) 直径2~10mm程度の皮疹が全身性に出現します。
・関節症状(約75%で出現) 膝、足、股関節の腫脹、圧痛が出現し、歩行できなくなります。
・消化器症状(約50%で出現) 腹痛、嘔吐、下血症状が出現します。
・腎症状(約40%で出現) 10%に肉眼的血尿、25%に蛋白尿がみられる。長期化すると紫斑病性腎炎になる。
・頻度の低い合併症
睾丸炎、肺出血、心筋炎、意識障害、痙攣、視力障害など
治療
通常臨床経過は良好であることが多く、症状に応じた対症療法になります。
・腎症状がなく、関節・消化器症状が軽い場合はペニシリン系抗生剤を2週間内服します。
・皮膚の掻痒感が強い場合は抗ヒスタミン薬を内服します。
・関節痛が強い場合はNSAIDsを内服する場合ばあります。
・第13因子が低下している場合は補充することがあります。
・腹部症状が強い場合はステロイド投与を行います。
・血尿や蛋白尿が出現した場合には抗血小板薬を内服する場合もあります。
ご家族の方へ
基本的には予後が良好な疾患ですが、約1/3の子どもが再発し、症状が長く続くことも多い疾患です。 気になる症状を見た場合には早めに小児科にご相談ください。
心と体の健康を見守る街のお医者さん
コアラ小児科アレルギー科
〒330-0062 埼玉県さいたま市浦和区仲町1丁目3-5
クリニックステーション浦和仲町2階
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